2009年度 総合科学部 自然システム学科 学部課程 — 1年(後期)

物質科学の基礎II

教授・小山 晋之, 准教授・伏見 賢一

2単位

目的

20世紀になって物理学は大きな進歩を遂げ,まさに20世紀は「物理の世紀」と呼んでも過言ではない世紀となった.現在身の周りにある多くの先端技術を利用した装置は物理学の発展に伴って急速に進歩を遂げつつある.この講義では現代物理学を学習することによってさまざまな先端技術の背景を理解することを目的とする.従って,この講義は,物質·環境コースへ進む学生だけでなく,他のコースへ進む学生にも重要な知識となるように用意されている.講義内容は前期の物質科学の基礎Iで学習した知識をもとに,現代物理学の基礎的な項目を解説する.

概要

自然科学の基礎としての現代物理学の理解

注意

講義のほか,例題などを提示し,また各自が演習問題等を行って理解を深める.但し,丁寧に解説するとは言っても,何も考えずにフラっと教室にやってきて,講義終了後も何もしないということであれば,どのような大学の科目も理解出来るはずがない.講義中に疑問があれば質問したり,予習·復習するなどの積極的な学習態度が望まれる.

目標

1.波動について正しい理解をする.屈折の法則について深く理解し,計算することができる.
2.量子数と周期律表について正しく理解する.
3.時間と空間の概念について正しい理解をする.同時の相対性,ローレンツ変換について正しく理解し,計算することができる.物質波の概念を理解する.ハイゼンベルグの不確定性原理を正しく説明することができる.

計画

1.授業の進め方と成績評価について
2.相対性理論入門:空間座標,座標の変換,運動の法則
3.相対性理論入門:ガリレイの相対性,マイケルソン·モーレーの実験
4.相対性理論入門:光速度不変の原理,ローレンツ変換,時間の遅れ,長さの短縮など
5.量子論入門:光の性質
6.量子論入門:光電効果,光量子
7.量子論入門:物質波,ボーアの原子論
8.量子論入門:ハイゼンベルクの不確定性関係
9.波動(1):波とは∼単振動について,1次元の波,波動方程式
10.波動(2):1次元の波,波動方程式
11.波動(3):波動方程式,ホイヘンスの原理による屈折の法則の導出
12.波動(4):フェルマーの原理による屈折の法則の導出,光と電磁波
13.周期律(1):量子数と電子配置
14.周期律(2):エネルギー準位,作って学ぶ元素の立体周期律表
15.学期末テスト
16.総括授業:学期末テストの解説など

評価

学期末試験(持ち込み不可)だけでなく,数回行う小テスト(持ち込み不可)の結果も総合して判定する.

再評価

希望があれば行う.

教科書

参考書:大槻義彦著「理工系の基礎教育 物理学」(学術図書出版社)

参考書:飯島徹穂他著「アビリティ物理 量子論と相対論」(共立出版)

参考書:嶋村 修二·萩原 千聡 著「基礎物理学-波動·光·熱-」(朝倉書店)

その他関連する参考書については,講義中に適宜紹介する予定.

連絡先

小山(総合科学部3号館1N07, 088-656-7233, koyama@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火,木曜日の12時00分∼13時00分(これ以外に随時,教官室に居ればできるだけ対応します)
伏見(総合科学部3号館1N01, 088-656-7238, kfushimi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日を除く11時50分∼12時50分,金曜日3·4校時