2010年度 薬学部 薬学科 学部課程 薬学科 — [必修] 3年(前期)

2010年度 薬学部 創製薬科学科 学部課程 創製薬科学科 — [必修] 3年(前期)

物理化学3

Physical Chemistry 3

徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報薬科学部門分子情報薬学講座薬品分析学分野 教授・田中 秀治

1単位

形態

講義

目的

本科目では,複雑な系での物質の状態および変化の過程を熱力学に解析できるようになるために,溶液化学および電気化学の基本的知識を習得する.

概要

まず,溶液化学について,溶解現象および電解質水溶液を中心に講義する.続いて,酸化還元反応や種々の電気化学的測定を理解する上でも重要な溶液の電解化学について講義する.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC1(3)·(4)に相当

先行科目

物理化学2

関連科目

分析化学1

注意

高校理系の化学および物理学を十分修得していることを前提に講義します.

目標

1.物理平衡
  1. 物質の溶解平衡について説明できる.
  2. 溶液の束一的性質(浸透圧,沸点上昇,凝固点降下など)について説明できる.
2.溶液の化学
  1. 化学ポテンシャルについて説明できる.
  2. 活量と活量係数について説明できる.
  3. 電解質のモル伝導度の温度変化を説明できる.
  4. イオンの輸律と移動度について説明できる.
  5. イオン強度について説明できる.
  6. 電解質の活量係数の濃度依存性(Debye-Hückelの式)について説明できる.
3.電気化学
  1. 代表的な化学電池の種類とその構成について説明できる.
  2. 標準電極電位について説明できる.
  3. 起電力と標準自由エネルギー変化の関係を説明できる.
  4. Nernstの式が誘導できる.
  5. 濃淡電池について説明できる.
4.物質の移動
  1. 溶解速度について説明できる.

計画

1.溶解と溶解性
2.溶解の熱力学
3.溶解度と溶解度積
4.溶解性に影響を与える因子
5.水溶液の熱力学
6.希薄溶液の束一的性質
7.電解質水溶液
8.電極電位と化学電池
9.電解質水溶液の電気伝導
10.総括

評価

定期試験を100点満点として採点する.その得点から,3回欠席では5点を,4回欠席では10点を減点する.2回までの欠席は減点の対象とはしない.5回以上欠席した場合は,履修を認定しない(90分講義を10回開講予定).

再評価

実施する.

教科書

嶋林 三郎 編,「製剤への物理化学」(廣川書店)

連絡先

田中(教授室, 088-633-7285, htanaka@ph.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月∼金の8:30∼12:00,13:00∼17:30

備考

質問は電子メールhtanaka@ph.tokushima-u.ac.jpでも受け付けますが,「物理化学3の質問」など要件がわかる件名を記入して下さい(迷惑メールとの判別のため).