ヨーロッパ歴史·社会論I
教授・佐久間 亮
2単位
目的
イギリスの近代史を,いわゆるグローバル・ヒストリの中に位置づけて論じる.イギリスの歴史は,一時期を除いて第二次世界大戦以降植民地を喪失するまで,帝国の歴史である.この過程は,現代のグローバル化社会の出発点ともいえ,現在に至るまで世界の様々な地域に影響を及ぼし続けている.イギリス国内のことがらを理解する上でも,このような観点は欠かせない.たとえば,イングランド人,スコットランド人,ウェールズ人がそれぞれの文化的差異を含みながらも,イギリス人というアイデンティティ(ブリティッシュネス)へと統合されてきたのは,帝国の存在があったためである.
概要
グローバル・ヒストリとイギリス近代史
キーワード
ナショナルアイデンティティ,文化統合,大英帝国
関連科目
注意
視覚的印象は,テーマを理解する上で欠かせない要素である.授業中にもしばしばビデオを利用するが,以下に参考となる映画(ビデオ化され入手しやすいもの)をあげておく.予め観ておくことが望ましい.授業中にも言及されるだろう.『エリザベス』Elizabeth(1998), 『恋に落ちたシェイクスピア』Shakespere in Love (1998), 『マイ·フェア·レディ』My Fair Lady(1964),『オスカー・ワイルド』Wilde (1997) ,『インドへの道』A Passage To India(1984),『遠い夜明け』Cry Freedom(1987),『日の名残り』The Remains of the Day(1993).
目標
1. | イギリス社会の歴史的形成のプロセスと理解すること |
2. | 歴史的パースペクティブから現代の事象を理解する重要性を体感すること |
計画
1. | 現在のイギリスを理解するために |
2. | イギリス宗教改革のインパクト |
3. | 帝国化への転換点としての16世紀 |
4. | 「ピューリタン革命」論の再検討 |
5. | 共和制という名の恐怖政治 |
6. | 名誉革命とアイルランドの運命 |
7. | 戦争と財政軍事国家イギリスの誕生 |
8. | アメリカ独立の衝撃 |
9. | ジェントルマン社会と「国民」統合 |
10. | 帝国とスコットランド人 |
11. | 「男らしさ」と戦争 |
12. | フットボールの世界化 |
13. | アイドル・ウーマンと帝国へ渡る女性たち |
14. | ジェントルマン資本主義とインドへの道 |
15. | 期末試験 |
16. | 総括授業 |
評価
期末試験の結果によって評価をおこなう.
再評価
行わない
教科書
教科書は使用せず,授業中に配布するプリントを中心に講義をすすめる.
連絡先
- オフィスアワー: 火曜12時∼13時