2011年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択必修(C)] 3年(後期)

河川工学

River Engineering

教授・武藤 裕則, 准教授・田村 隆雄

2単位

目的

河川工学は安全で快適な川づくりに必要な学問である.まずその必要性を認識させるため,まず,わが国における河川の特性ならびに河川災害と水防の現状を紹介する.ついで,河川計画の基本となる計画流量の決定に必要な水文学的知見・技法を講述したのち,それを受ける河川堤防とその他の河川構造物の目的・機能を説明する.さらに,洪水流の1次元,2次元解析の基礎理論と数値解析技法および河川内における土砂移動(流砂)の諸特性とそれに伴う河床変動の追跡の基礎理論とその応用法についても概説する.以上により,河川の計画と管理の合理化に必要な基礎知識をもれなく習得させる.

概要

本講義は,学期の前・後半の2部構成としている.前半では,まず,ガイダンスとしてわが国における河川災害と水防の実情を紹介したのち,それらを抑止,軽減する河川計画の策定に必要な水文学の基礎と応用,さらには河川堤防と河川構造物の概要を解説する.後半では,はじめに河川洪水流の1次元・2次元解析法の基礎式に基づいて洪水流の諸特性とその数値計算法の基本を講述する.ついで,河川流域における土砂生産と輸送に起因する河川災害と土石流災害の実態を紹介したのち,その予測の基礎となる掃流砂量,浮遊砂量の計算法ならびに河床変動の数値計算法に関する基本事項を解説する.

キーワード

河川災害,河川計画と基本高水,洪水流解析,河川の土砂災害,流砂量,河床変動

要件

なし

注意

「水の力学1」と「水の力学2」を履修済みであることを前提に講義する.授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.

目標

1.河川計画に係わる水文学の基礎および河川の構造を理解する
2.河川流と流砂の性質とその基礎的な解析法を理解する

計画

1.ガイダンス・我が国の河川と水害事情 pp.1-3
2.河川工学における水文学の役割,流量推定の手順 pp.4-12
3.地球上の水循環,日本の降水特性 pp.20-33
4.流出現象とその特性 pp.33-35
5.雨量の計算法 pp.32
6.流量の計算法 pp.37-50
7.堤防の種類・構造と護岸・根固め pp.149-156
8.その他の河川構造物 pp.157-161
9.前半試験
10.河川流の1次元解析法 pp.53-67
11.河川流の2次元解析法 pp.68-70
12.土砂の流送(流砂) pp.86-102
13.河床変動 pp.102-115
14.洪水防御計画 pp.127-140
15.生態環境に配慮した川づくり pp.163-182
16.後半試験

評価

前半試験と後半試験において各到達目標に対応する問題を均等のウエイトで出題し,総合成績として60%以上の到達率に達した場合に合格とする.

JABEE合格

【成績評価】と同一である.

JABEE関連

本科目は本学科の教育目標の3(3)に,100%対応する.

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能.

教科書

川合茂ほか共著「河川工学」(コロナ社,環境・都市システム系教科書シリーズ6)

参考資料

室田明編著「河川工学」(技報堂出版)

芦田和男ほか著「河川の土砂災害と対策」(森北出版,防災シリーズ5)

連絡先

武藤(A415, 088-656-7329, muto_yas@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
田村(A414, 088-656-9407, tamura@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること

備考

なし