振動学及び演習
Stractural Dynamics and Exercise
准教授・野田 稔
2単位
目的
1本のバネに吊るされた錘の運動を詳細に分析することによって振動現象の本質を理解し,2自由度系に於けるモード解析法を学ぶことによって,高層ビルや長大つり橋のような複雑な構造物の振動問題の解析へと発展させることができるこ ことを学ぶ..
概要
構造物の振動を単純な1 自由度の物理モデルで表現して,動的な力の平衡条件から運動方程式を導き,自由振動,強制振動の本質的な事項,すなわち固有振動数,減衰,動的応答倍率,位相差,過渡応答などについて考察して理解を深めると共に,所要パラメーターの計算能力を養う.次いで2 自由度系の自由振動解析に於けるモードの存在とその特性について述べて振動解析法の概念を導入する.この手法を適用して任意の多自由度系の強制振動解析を行いうることを理解し,2 自由度系の強制振動解析の課題を課して計算させる.毎回,授業の最初に前回の授業項目の理解度を確認するための20 分間の小テストを実施する.
キーワード
自由振動,強制振動,1自由度系,多自由度系
関連科目
基礎物理学 / 基礎物理学f·力学概論,解析力学
要件
基礎物理学(特に力学)および微分方程式の基礎的な部分を習得していること.
注意
動力学の入門段階から講義と演習を行うが,理解を深めるための受講生の自主的な取り組みが要求される.また,毎回小テストを実施するので,毎回の予習·復習は欠かさず行うこと.授業中に私語をしないこと.質問をすることを心掛ける.授業を受ける際には,3時間の授業時間毎に2.5時間の予習と2.5時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.
目標
1. | 簡単な構造物の1自由度系モデルを作り,自由振動解析ができ,強制振動を受ける場合の定常応答,過渡応答の解を求め,その工学的応用についての知識を持つ(1-11回). |
2. | 2自由度系を対象にして,振動形解析法による解析を行うことができる(12-16回). |
計画
1. | 振動現象の種類と記述 |
2. | 小テスト·1自由度系の自由振動; 運動方程式と解 |
3. | 小テスト·エネルギー法; 固有振動数の近似解法 |
4. | 小テスト·1自由度系の自由振動 2 |
5. | 小テスト·1 自由度系の減衰自由振動 1 |
6. | 小テスト·1 自由度系の減衰自由振動 2 |
7. | 小テスト·1 自由度系の強制振動 1 |
8. | 小テスト·1 自由度系の強制振動 2 |
9. | 小テスト·過渡振動 |
10. | 小テスト·不規則振動解析 |
11. | 中間試験 |
12. | 2自由度系の自由振動; 振動数方程式 |
13. | 小テスト·2自由度系の強制振動,ラグランジュの運動方程式 |
14. | 小テスト·振動形解析法(モーダルアナリシス) |
15. | 小テスト·多自由度系の振動 |
16. | 期末試験 |
評価
到達目標の2項目が達成されているかを毎回行う小テスト(50%)と到達目標毎に実施する中間試験または期末試験(50%)で評価し,評点≥60%をクリア条件とする.すべての到達目標をクリアした場合を合格とし,成績は,到達目標1と2の評点の重みをそれぞれ60%,40%として算出する.
JABEE合格
成績評価と同一である.
JABEE関連
本学科の教育目標の3(3)に100%対応している.
対象学生
他学科,他学部学生も履修可能
教科書
小坪清眞著「入門建設振動学」森北出版
参考資料
D.ハルトック著,谷口修訳「機械振動論」コロナ社,S.チモシェンコ著,谷下訳「工業振動学」コロナ社,中井博著「土木構造物の振動解析」森北出版,吉原進著「建設系のための振動工学」森北出版
連絡先
- オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること