生物無機化学
Bioinorganic Chemistry
教授・中村 嘉利
2単位
目的
無機化学,化学結合論の基礎をふまえて,生体反応における多様な金属原子の役割を分子レベルで理解し,生命現象を化学的にとらえる視点を身に付ける.
概要
まず,化学結合論,無機化学,錯体化学の基礎から,生物無機化学を理解するために必要な要点を学ぶ.次に,生体機能分子による様々な生物反応のうち,特に金属錯体を含む分子による重要な反応を例にとって,金属分子の担う役割を中心に解説する.
キーワード
結晶場理論,遷移金属,ヘモグロビン,ジンクフィンガー
関連科目
要件
基礎化学,有機化学1,2を受講すること.
注意
復習を毎回行っておくこと.
目標
1. | 生体関連分子の構造と特性を理解し,生体必須元素の摂取と生理作用を説明できる(授業計画1-8). |
2. | 金属錯体を含む生体分子の構造と反応機構を説明できる(授業計画9-15). |
計画
1. | 生物無機化学概要 |
2. | 導入演習 |
3. | 原子と分子,生体関連分子の構造と特性Ⅰ |
4. | 生体関連分子の構造と特性Ⅱ,元素の化学 |
5. | 演習Ⅰ |
6. | 生体必須元素の摂取と生理作用 |
7. | 錯体化学 |
8. | 中間試験 |
9. | 生体関連金属錯体 |
10. | 水および非水溶液中の無機化合物 |
11. | 演習Ⅱ |
12. | 細胞と細胞膜 |
13. | 無機化合物の酸化と還元 |
14. | 生体酸化還元系 |
15. | 無機イオンの定性反応,無機化合物の命名法 |
16. | 期末試験 |
評価
出席率80%以上で,到達目標2項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.到達度は中間試験(40%),期末試験(40%),レポート(20%)で評価する(出席点は加えない).
JABEE合格
成績評価と同じ.
JABEE関連
本学科教育目標(C),(D)に対応する.
対象学生
他学科学生も履修可能
教科書
桜井弘 「薬学のための無機化学」 化学同人
参考資料
リパード・パーク 「生物無機化学」東京化学同人,G.I.ブラウン 「初等化学結合論」 培風館,J.A.Cowan 「Inorganic Biochemistry-An Introduction-」VHC
連絡先
中村(機械棟7階, 088-656-7518, ynakamu@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 水曜日17:00-18:00
備考
1. | 授業を受ける際には2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である. |
2. | 成績評価に対する平常点と試験の比率は50:50とする.平常点には講義への参加状況,演習への回答及びレポートの提出状況と内容を含み,試験は中間テストと最終試験の成績を含む. |