2011年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [選択] 2年(後期)

電子物理学

Electronic Physics

教授・大宅 薫

2単位

目的

電界中および磁界中の電子の運動を解析でき,代表的なマイクロ波電子管の構造·原理およびプラズマの基礎的性質を理解する.

概要

様々な電界·磁界中の電子の運動方程式を解析し,電子の運動に関わる特徴的な物理現象を示すとともに,静電偏向·磁界偏向,電子レンズについてその原理と特性を理解させる.また,代表的なマイクロ波電子管(クライストロン,進行波管,マグネトロン)の構造と原理について講義する.さらに,最近,様々な工学分野で利用されているプラズマの基礎的性質について述べる.これに続くプラズマの理論的な取り扱いについては大学院にて講義することになる.

キーワード

電子運動論,マイクロ波電子管,プラズマ

先行科目

基礎物理学 / 基礎物理学f·力学概論,電気磁気学1·演習電気磁気学2·演習

要件

「基礎物理学·力学」,「電気磁気学1,2」の内容を理解しているものとして授業を行う.

注意

演習を行いながら授業を進めるので,予習と復習を欠かさないこと.講義ノートでチェックする.

目標

1.運動方程式を用いて,電界および磁界中の電子の運動を解析でき,関係する物理現象を理解する.
2.代表的なマイクロ波電子管の構造と原理が説明でき,プラズマの基礎的性質を理解する.

計画

1.電界中の電子の運動解析
2.磁界中の電子の運動解析
3.電磁界中の電子の運動解析
4.静電偏向と磁界偏向
5.電子光学と電子レンズ
6.空間電荷効果
7.電子走行時間と誘導電流
8.中間試験(目標1の評価)
9.マイクロ波電子管1(クライストロン)
10.マイクロ波電子管2(進行波管)
11.マイクロ波電子管3(クロストフィールドデバイス,マグネトロン)
12.プラズマとは
13.マックスウェル分布と温度の概念
14.デバイしゃへいとプラズマ振動
15.プラズマ応用
16.期末試験(目標2の評価)

評価

目標の2項目が各々達成されているかを試験80%,平常点(提出ノート)20%で評価し,2項目の平均で60%以上あれば合格とする.

JABEE関連

(D)専門基礎30%,(E)[主目標]専門分野(物性デバイス)70%

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

参考資料

桜庭一郎「電子管工学」森北出版

F.F.Chen著,内田岱二郎訳「プラズマ物理入門」丸善

連絡先

大宅(E棟2階南 A-9, 088-656-7444, ohya@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.