2011年度 工学部 生物工学科 昼間コース — [必修] 1年(後期)

分析化学

Analytical Chemistry

教授・松木 均, 教授・堀 均

2単位

目的

分析化学とは,試料中のある目的成分について,その化学的あるいは物理的性質をもとに,他成分と区別して認識したり(定性分析),存在量を決定したり(定量分析)する方法を探究し,体系化した学問である.本科目ではその中でも物質の定量に関わる分析法を中心に,その基本的原理と方法論を修得させることを目的とする.

概要

前半では,分析化学において最も基礎となる分析データの取り扱い方,溶液内の化学反応および化学平衡,各種容量分析法の原理と応用を講義する.後半では,機器分析法のうち,各種分光分析,電気化学分析,クロマトグラフィーなどの分離分析について講義する.

キーワード

誤差,正確さ,精度,定量分析法,機器分析法

要件

高校理系の化学を十分修得していることを前提とする.

注意

講義中に計算問題を解くことがあるので,常に計算機(できれば関数電卓)を持参すること.

目標

1.分析を行う上で基礎となる基本的概念とこれらに基づく容量分析法(滴定)を理解する.
2.各種の機器分析法の原理と手法を理解する.

計画

1.導入教育,序論(教科書p.1∼4)
2.水の性質,酸-塩基,化学平衡(教科書p.5∼26)
3.酸-塩基平衡(教科書p.27∼34)
4.沈殿平衡,酸化還元平衡(教科書p.34∼43)
5.錯形成平衡平衡(教科書p.43∼49)
6.容量分析,重量分析(教科書p.51∼76)
7.分離と濃縮(教科書p.77∼100)
8.誤差,正確さと精度,有効数字(教科書p.113∼119),中間試験1(到達目標1の一部評価)
9.機器分析(1):機器分析概論,原子スペクトル分析法(教科書p.121∼147)
10.機器分析(2):核磁気共鳴分光法,電子スピン共鳴(教科書p.147∼167)
11.機器分析(3):分光光度分析法,蛍光およびりん光分析法(教科書p.167∼189)
12.機器分析(4):赤外吸収分光法,X線分析法と電子分光法(教科書p.189∼205)
13.機器分析(5):電気化学分析法(教科書p.205∼218)
14.機器分析(6):クロマトグラフィー(教科書p.218∼242),中間試験2(到達目標2の一部評価)
15.期末試験(到達目標全ての一部評価)
16.答案の返却と講評

評価

到達目標2項目が各々60%以上達成されている場合をもって合格とする.到達度は目標1が中間試験1(20%)及び期末試験(80%)で,目標2が中間試験2(20%)及び期末試験(80%)で評価する(出席点は加えない).中間試験1(20%)+中間試験2(20%)+期末試験(60%)で最終評価とする.ただし出席率80%以上(12回以上の出席)を期末試験の受験資格とする.

JABEE合格

成績評価と同じ.

JABEE関連

本学科教育目標(C),(D)に対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

赤岩,柘植,角田,原口著「分析化学」丸善

参考資料

大橋,小熊,鎌田,木原著「分析化学-溶液反応を基礎とする」三共出版

小笠原,細川,米山著「化学実験における測定とデータ分析の基本」東京化学同人

庄野,脇田著「入門機器分析化学」三共出版

分析化学研究会(編著)「定量分析」廣川書店

黒田,杉谷,渋川著「分析化学」裳華房

連絡先

松木(化生棟607, 088-656-7513, matsuki@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 金曜日 16:20-17:50
堀(M棟821, 088-656-7514, hori@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日11:55-12:50

備考

1.授業を受ける際には2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.
2.到達目標1は授業計画1-8に,到達目標2は授業計画9-14に関係する.