2011年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [選択] 3年(前期)

有機・無機工業化学

Industrial Organic & Inorganic Chemistry

准教授・南川 慶二, 教授・森賀 俊広

2単位

目的

有機および無機化学工業の基礎となる化学技術を講述し,各種工業製品や材料の製造法についての基礎と応用を理解させる.

概要

有機化学工業を有機化学及び高分子化学などの基礎化学技術の観点から講義し,身の回りで実際に役立っている有機材料の基礎と応用について詳述する.無機化学工業の基礎部門として欠くことのできない,無機酸,ソーダ,製塩,肥料を中心に基礎理論を通じての定量的な理解を骨子として講述する.

キーワード

石油化学,有機材料,無機酸,アンモニア

要件

受講までに開講されている有機化学・高分子化学系の科目および基礎無機化学,無機化学を受講していることが望ましい.

注意

多種多様な技術の進歩を取り入れるため,授業計画の細部は変更の可能性がある.その場合,掲示または初回講義などで説明する.授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をした上で授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.

目標

1.有機・無機工業製品の製造に関連する科学技術について理解を深める.
2.種々の有機材料の合成法や物性,機能を理解する.
3.無機酸・ソーダおよび派生物・肥料などの製造原理を習得する.

計画

1.総論(化学工業の特徴,原料およびエネルギー資源,化学工業と環境)
2.石油精製
3.石油化学
4.高性能高分子材料
5.機能性高分子材料
6.生命医療材料
7.環境材料
8.リサイクルと環境
9.硫酸(原料,製造法,環境汚染)
10.硝酸(アンモニア酸化による硝酸製造,製造法,装置材料)
11.塩酸(合成原理,製造法,装置材料),リン酸(湿式・乾式製造法,縮合リン酸)
12.ソーダ(電解ソーダ法,アンモニアソーダ法,塩安ソーダ法,製品の用途)
13.塩(製塩法,にがり工業,海水の淡水化法)
14.アンモニア(用途,製造工程,合成理論,製造条件,触媒,装置材料)
15.肥料(窒素肥料,リン酸肥料,カリ肥料,複合肥料)
16.定期試験

評価

到達目標1は,第1回∼第15回の講義が,到達目標2は第2回∼第8回の講義が,到達目標3は第9回∼第15回の講義が関連する. 到達目標が達成されているかを試験60%,平常点(授業への取り組み状況,レポート,小テスト)40%で評価し,60% 以上あれば合格とする.

JABEE関連

本学科学習・教育目標(E:◎)に対応する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

開講前に掲示等によって指示する.

参考資料

園田昇·亀岡弘編「有機工業化学」(化学同人)

小川俊夫著,「高分子材料化学」(共立出版)

山岡亜夫編著,上田充他著 「応用化学シリーズ 3 高分子工業化学」(朝倉書店)

伊勢典夫他著「新高分子化学序論」(化学同人)

塩川 二朗編「無機工業化学」化学同人

その他,講義中に指示する.

連絡先

南川(化612, 088-656-9153, minagawa@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)