レーザ工学基礎論
Introduction to Laser physics and applications
教授・原口 雅宣
2単位
目的
将来のレーザ技術·装置にも対応できるように,レーザ光の特徴を説明するキーワードであるコヒーレンスと,レーザを実現するのに不可欠な誘導放出·共振器および,レーザの基本構造と動作原理の基本的理解を目的とする.また,今後のレーザ光の応用上重要な非線形光学についてその初歩的な内容の理解も目的とする.
概要
現在の光産業の中核をなすレーザは,情報機器,通信回線,精密加工や医療での応用など,様々な分野で使われている.現在,レーザ技術は急激な発展過程にあるため,レーザに関係する基本的な概念や原理の理解を助けるよう講義を組み立てる.また,将来のレーザ応用上重要であると考えられる,非線形光学についても時間をかける.
キーワード
量子力学,光共振器,誘導放出,光学結晶,非線形光学
関連科目
要件
波動光学および材料の光に対する応答について基本的な概念を理解していること.
注意
授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.
目標
1. | コヒーレンス,誘導放出,共振器のキーワードが説明できる |
2. | キーワードを駆使してレーザの特徴や基本構造およびその動作原理の説明ができる |
3. | 高調波発生の原理と応用例について,専門用語を用いて簡単な説明ができる |
計画
1. | レーザ概論,レーザの歴史 |
2. | コヒーレンス |
3. | 光吸収,光放射,光増幅 |
4. | 光共振器 |
5. | レーザ発振の条件 |
6. | レーザ動作解析 |
7. | 発振周波数特性 |
8. | 中間テスト,試験問題の解説,各種レーザ装置その1 |
9. | 各種レーザ装置その2 |
10. | コヒーレント光の変調 |
11. | 非線形媒質中の光伝搬 |
12. | 二次の非線形光学効果と三次の非線形光学効果 |
13. | 非線形光学デバイス |
14. | レーザの応用 |
15. | レーザに関する安全 |
16. | 期末テスト,試験問題の解説,将来のレーザ |
評価
講義への取り組み状況(10%),レポート(6%),小テスト(24%),中間試験(30%),期末試験(30%)により評価する.総合評価し満点の60%を合格とする.
JABEE合格
単位合格と同一である
JABEE関連
学科の学習目標 B
対象学生
他学科学生も履修可能
教科書
後藤,森著,「量子エレクトロニクス」,昭晃堂,1998
参考資料
末松安晴,上林利生共著,「光デバイス演習」,コロナ社,1986
レーザ技術総合研究所編,「レーザーの科学」,丸善,1997
連絡先
備考
波動光学,電磁波,材料物性に関する科目を履修していることを前提として講義する.