2011年度 総合科学教育部 地域科学専攻 博士後期課程 — [必修] 1年(通年), 2年(通年)

地域科学Ⅱ

教授・北村 修二, 准教授・樫田 美雄, 教授・大橋 眞

4単位

目的

地域科学の諸課題に対して様々な観点から洞察し,その解決策について,施策的な面と住民活動の面からのアプローチを理論的に解析し,実際の活動につながるような幅広い学識と考察力を育成する.

概要

地域づくりの課題や方法を先行研究の成果をサーベイすることで多面的に考察する.実践的な課題群に即して講義を編成し,現代的研究課題や政策・運動のありようを検討する.また,国際協力の観点から開発途上国の地域的課題についても考える.オムニバス方式で進め,各教員は専門分野の10回分の授業を行う.その際,ゲストスピーカあるいはコメンテータとして地域環境に関する高い知見を有する学外者の協力を求める. (オムニバス方式/全32回) (樫田美雄/10回).RLA( 研究者類似活動)の方法に基づいて,論文読解能力・論文執筆能力・プレゼン能力を涵養する.具体的には,疑似論文査読会(論文仕分け)を行う.まず,論文査読のポイントを相談し,その観点で複数の論文を読み,自分の評価をプレゼンする.6月16日には,外部研究者も招き=予定=,イベントとして行う.(北村修二/10回)テキストを使いながら,産業・地域づくりの地域政策論を論じるとともにその課題を考察・解明する (大橋眞/10回)自然科学と国際協力の観点から環境

キーワード

研究者類似活動,疑似論文査読会,プレゼンテーション能力

注意

(樫田が担当する回は)別会場になる日もあるので掲示に注意すること.論文の読解等のため21:10まで体を空けておくこと.初回(4月14日)は,全体の進行に関する解説をするので必ず出席すること.欠席する場合には,連絡先を樫田(kashida@ias.tokushima-u.ac.jp)まで届けておくこと.6月16日木曜日は,他大学研究者も招いて『論文仕分け』を行うので,必ず21:10まで体をあけておくこと.

目標

1.地域を科学する方法としての,総合科学的研究手法を実践的に身につける.

計画

1.全体の授業進行についてのガイダンス.論文仕分けをする意義の解説.
2.各種雑誌における投稿論文の審査プロセスについて
3.査読ポイントとしてどの項目が挙げられるべきだろうか.相談しながら決めよう
4.実際に査読をしてみよう.論文の類型を考えよう.伸びる芽を摘まないように.
5.書き直す方向をどうしめすか.無いものねだりをしないようにしよう.
6.専門技能のチェックと,一般的知的能力のチェック
7.論文仕分け(予行演習)を行おう.読むことと書くことについて考えよう.
8.査読コメントを書いてみよう.そのコメントは通じますか?
9.論文仕分け(本番)を行おう.説得力ある議論をしよう.
10.論文評価の多様な観点を学ぼう.振り返りをしよう.
11.国際化の進展
12.国際化時代の経済および産業
13.国際化時代の地域経済と地域構造・地域システム
14.地球環境時代の企業・自治体の環境問題への取り組みと新たな地域循環型システム
15.地球環境時代の新たな企業・産業・地域づくり
16.新たな時代の社会・担い手づくりに向けて
17.新しい時代の企業・産業・地域と担い手づくり(1)
18.新しい時代の企業・産業・地域と担い手づくり(2)
19.新しい時代の企業・産業・地域と担い手づくり(3)
20.新しい時代の企業・産業・地域と担い手づくり(4)
21.専門と知性
22.地域科学に必要な知
23.公共性とは何か
24.社会的合理性
25.専門知と社会的ニーズ
26.地域社会からの視点
27.専門家集団の共通の知
28.専門分化の機構
29.専門知の将来
30.まとめ

評価

出席.平常点.レポートを総合的に勘案して成績を付ける.

再評価

再試験の予定はない.

教科書

北村修二2009『産業・地域づくりと地域政策』大学教育出版

参考資料

市川伸一『学ぶ意欲とスキルを育てる』小学館

前田・水川・岡田編2007『ワードマップ エスノメソドロジー』新曜社.

市川伸一『開かれた学びへの出発』金子書房.

ウンベルト・エコ『論文作法』而立書房.

連絡先

樫田(工学部キャンパスSVBL棟3階プロジェクト研究室1に常駐.1号館南棟1階1S19 はときどき., 088-656-9512, kashida.yoshio@nifty.(no-spam)com)
オフィスアワー: 樫田のオフィスアワーは火曜日14:00-15:00SVBL棟3階プロジェクト研究室

備考

6月16日木曜日の論文仕分け会に参加が困難な場合には,別課題を与えるので早めに樫田第2研究室に相談に来て欲しい(樫田).