2011年度 総合科学部 学士課程 — [必修] 1年(前期)

基礎ゼミナール(基礎ゼミナールⅠ)

Basic Seminar I

教授・宮澤 一人

2単位

目的

オペラという「うさんくさい芸術(?)」のあり方から,芸術と娯楽とはなにか,そして音楽というものが時代や世相の変化によって,どのように受け取られてきたかを学ぶ.

概要

17世紀になって突然誕生したオペラと呼ばれる音楽のジャンル.この浪費を前提に誕生した音楽ジャンルが,場所や時代によってどのように変化したかを,様々な作品を通してたどる.そして,芸術と娯楽の瀬戸際で常に存在し続けたオペラの姿を見つめようと考えている.

キーワード

バロックオペラ,モーツァルトの前衛,19世紀パリの文化,ワーグナー以後,音楽の芸術と娯楽の分離

先行科目

大学と社会

関連科目

科学と人間

注意

ジャンルに関係なく音楽というものに多大な関心と好奇心をもっていること.「自分はクラシックは聴いたことが無い」という人も大丈夫.なお,教科書は全員必ず購入すること.

目標

1.1.音楽,芸術,娯楽,エンターテイメントといった言葉の意味を,的確に定義づけられるようになること.
2.2,本講義では国際感覚の醸成を養成することを目的としています.

計画

1.講義の趣旨と概要の説明(オペラの定義をしてみよう,一応)
2.バロックオペラ(ギリシャ悲劇の復活?)
3.バロックオペラ(華やかな浪費の産物)
4.バロックオペラの最後(だって面白くないから)
5.オペラセリアとオペラブッファ(まじめとおふざけ)
6.モーツァルトの登場(人間の心理は複雑)
7.モーツァルトの成し遂げたこと(本当はこわい・・・)
8.フランス革命直後(全てをこわしてしまった革命)
9.19世紀のパリ(音楽の中心はここ)
10.グランドオペラ(現代の娯楽の原点)
11.ワーグナー(もはやオペラではない,楽劇なのだ)
12.ワーグナー以後(あんなものの後で何を作ればよいのだ?)
13.20世紀のオペラ(もはや娯楽ではない)
14.そして演出の時代へ(話題になればそれで良し!)
15.総括授業(全体のまとめ)
16.各自の発表と期末レポート

評価

最終回の発表(40%)期末レポート(40%)毎回の授業の時に出す課題(20%)

再評価

行わない

教科書

『オペラの運命(十九世紀を魅了した「一夜の夢」)』岡田暁生,中公新書1585 ISBN4-12-101585-1

参考資料

授業の中で指示する.また,資料を配付することもある.

連絡先

宮澤(マルチメディアA棟 204, 088-656-7163, miyazawa@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日昼休み(研究室に在室している時は,特別な場合を除いて対応可能)

備考

1.平成22年度は金曜日 前期の3・4講時開講
2.講義はマルチメディアA棟1階音響スタジオで行う.