2011年度 総合科学部 社会創生学科 地域創生コース 学士課程 — [選択] 2年(後期)

2011年度 総合科学部 人間文化学科 心理・健康コース 学士課程 — [選択] 3年(後期)

地域構造論

准教授・豊田 哲也

2単位

目的

都市地理学の基本問題を扱う.「都市論」は,建築学,社会学,歴史学,芸術等の幅広い分野において,かつてない大きな関心を集めるようになった.こうした思潮に先んじて,地理学では都市研究に多くの蓄積を重ねてきた.都市地理学と呼ばれる学問分野は,空間的側面から都市の機能や形態に注目し,これを系統立てて理解しようとする.本講義では都市をシステム論的な視点から把握し,都市と都市との関係 (inter-urban system)と,都市内部における地域と地域の関係 (intra-urban system)の二つの空間スケールから,都市形成のメカニズムを広く考察する.また,日本や世界の事例を数多く取り上げ,現代の都市が直面する課題について空間的視点から検討をおこなう.

概要

都市地理学の基本問題

キーワード

地理学,地域科学,都市システム,空間構造,地域問題

注意

都市をキーワードとして各回の話題は歴史学,社会学,経済学,建築学,心理学へと広がる.授業中はノートをきちんと取って復習に役立ててほしい.この授業は教員免許取得(中学校·社会,高校·地歴)のための「教科に関する科目」にあたる.なお,「地域構造論」(平成23年度開講予定)と「地理学の基礎I」(平成24年度開講)とは,隔年で交互に開講される.

目標

1.都市地理学が扱う幅広いテーマについて学説史をふまえた基礎的知識を学び,複雑な現象の背後にはたらく諸要因を理論的に検討する能力を身につけることを到達目標とする.

計画

1.都市地理学の分析視角
2.都市の成立と歴史的展開
3.経済発展と中心-周辺モデル
4.都市の順位•規模モデル
5.都市の機能と類型区分
6.都市成長と経済基盤モデル
7.中心地理論と都市システム
8.中間テスト
9.都市の内部構造理論
10.都市の地価形成と土地利用
11.都市空間の知覚とメンタルマップ
12.都市圏の構造変化
13.都市構造と社会階層の分極化
14.経済のグローバル化と世界都市
15.期末テスト
16.授業の総括

評価

期間中2回に分けて実施する試験の成績(80%)に,授業への取り組み(20%)を総合的に加味する.

再評価

なし.

教科書

高橋伸夫・菅野峰明・村山祐司・伊藤悟 『新しい都市地理学』 東洋書林

富田和暁・藤井正編『新版・図説大都市圏』古今書院

参考資料

参考文献は授業でそのつど紹介する.

連絡先

豊田(088-656-7154, toyoda@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 木曜日 12:00∼13:00

備考

隔年開講のため,平成24年度は開講しない.