2011年度 総合科学部 社会創生学科 地域創生コース 学士課程 — [選択] 2年(後期)

地域調査演習A

教授(併任)・髙橋 晋一

2単位

目的

地域の本質を把握するためには,的確な視点から問題を設定し,綿密な調査を通じて実証を重ねていく作業が不可欠である.本実習では,地域に展開する文化現象に注目し,実際の調査(文化人類学・ 民俗学的なフィールドワーク) を通じてこれらの能力を養成することを目的としている.授業では調査計画の立案に始まり,実際のフィールドワークを行い,その結果得られたデータを整理・ 分析し,報告書にまとめあげるまでの過程を「体験的に」学習する. 先行研究の内容を踏まえていなければ,フィールドワークの成果は十分に上がらない.本授業では,特定のテーマに関連した文献資料を効率よく収集し,調査研究に生かす手法についてもあわせて紹介する.

概要

文化人類学実習

キーワード

地域調査,文化人類学,民俗学,フィールドワーク

注意

地域調査法IA(前期)・IIA(後期)では調査の理論と技法を,地域調査演習A(前期・後期)では実践と応用を学ぶので,同時受講を前提とする.前期・後期の授業内容は相互に密接な関連を持つため,通年で受講することが望ましい.また,実習という授業の性格上,受講者数を制限することがある.本授業では,日本国内の特定地域をフィールドとして共通の研究テーマを設定(祭り・年中行事・人生儀礼・衣食住・伝説・観光など,さまざまな文化現象の中から一つを選定) し,担当教員と学生が共同で調査研究を行っていく.調査対象地域と調査テーマについては,受講者と相談の上決定する.授業では,受講者を数名ずつのグループに分けて具体的な作業を進めてもらう.その中で,講義形式の授業では行いにくい,ディスカッションやプレゼンテーションの訓練も積むようにしたい.

目標

1.文化人類学・民俗学的なフィールドワークを計画・実行し,その結果得られたデータを適切に整理・分析することができる.

計画

1.予備調査結果の報告会
2.本調査に向けての体制作り(1) 調査体制の検討
3.本調査に向けての体制作り(2) 調査要項の確定
4.本調査の実施
5.本調査のデータ整理(1)
6.本調査のデータ整理(2)
7.補足調査項目の検討
8.補足調査の実施
9.調査報告書の構成検討,執筆分担
10.調査結果の整理・分析,報告書原稿の執筆(1)
11.調査結果の整理・分析,報告書原稿の執筆(2)
12.調査結果の整理・分析,報告書原稿の執筆(3)
13.研究成果報告会に向けての準備作業
14.研究成果報告会
15.報告書の発送作業
16.1 年の調査経験をふまえての討論会

評価

授業への取り組み状況,授業中に課せられるレポートや報告の内容,調査時における姿勢や分析力をもとに評価を行う.

再評価

行わない.

教科書

教科書は使用しない.授業中に随時プリントを配布する.

参考資料

主な参考書を以下に挙げる.

佐藤郁哉『フィールドワークの技法』新曜社,2002 年

佐藤郁哉『フィールドワーク』新曜社,1992 年

箕浦康子『フィールドワークの技法と実際』ミネルヴァ書房,1999 年

ジョン&リン・ロフランド『社会状況の分析』恒星社厚生閣,1997 年

高橋晋一編『徳島大学文化人類学研究室報告』1∼9,同研究室,1996年∼2009年

連絡先

髙橋(088-656-9486, takahasi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (後期)水曜日12時∼13時

備考

本年度開講せず(隔年開講.次回は平成25年度開講予定)