2011年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

歴史と文化 / 現代世界の展開

History and Culture / Modern World History

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『歴史と文化 / 現代世界の展開』

教授・佐久間 亮

2単位

 水(3・4) 全(全)

授業の目的

ボーダレス化がますます進行する社会の中でよりよく生きていくためには,様々な文化や宗教を背景にした人たちとの相互理解は不可欠である.したがって,現代の世界で何が起きているのか,さらにはそれらの歴史的背景についての知識は現代人の必須の教養である.しかしながら,高校での世界史では,現代史,とりわけ第二次世界大戦後の歴史については充分には教えられず,その知識の欠落は著しい. たとえば,アメリカの中東政策に対して,なぜあれほどまでにアラブ系の人々が反発しているのか,少なくとも第二次大戦直後にまで遡って中東の歴史を考えなければ,理解不能だろう. この講義では,第二次世界大戦後の世界の歴史を,おもに映像とパワーポイントによる画像を用いながら理解してもらうことを目的とする.この知識のギャップを埋める作業は,「常識」に関するジェネレーション·ギャップを埋めることもねらいとしている.

授業の概要

第二次世界大戦後の歴史を,3つの局面に分割して理解する見方を紹介する.第一の局面は,「冷戦」の時代である.戦後ながく続いたこの枠組みがいかなるものだったかを具体的な事件をとおして理解することがまず第一の課題である.その上で,この枠組みが崩壊して以降の「民族主義」と「神々」の復活という第二の局面に世界が直面してきたこと,そして,「9·11」後,世界がどのような方向に進みつつあるのかについて,歴史家としての展望を示したいと思う.

キーワード

冷戦,イデオロギー,民族主義,イスラーム,歴史観

受講者へのメッセージ

日々のニュースに関心をもちつつ受講してほしい.

到達目標

1.新聞,テレビニュースで語られる世界の出来事を的確に理解できるようになること
2.今を理解する上で歴史的パースペクティブをもつことが不可欠であることを実感すること

授業の計画

1.米ソ冷戦の始まり
2.分割されたドイツの悲劇
3.中国と台湾はなぜ仲が悪い(1)-日本の台湾支配-
4.中国と台湾はなぜ仲が悪い(2)-第二次大戦後の推移-
5.アジアの「熱い戦争」
6.キューバ危機と核開発競争
7.アジアの泥沼(1) -ベトナム-
8.アジアの泥沼(2) -アフガニスタン-
9.ホメイニ革命から湾岸戦争まで
10.ユーゴスラビア紛争(1)-東欧革命の余波-
11.ユーゴスラビア紛争(2)-「民族浄化」-
12.9.11の衝撃
13.パレスチナ紛争とは何か(1)-歴史的起源-
14.パレスチナ紛争とは何か(2)-和解への遠い道のり-
15.期末試験
16.全体のまとめ

成績評価の方法

受講態度,小テスト,学期末テスト(論述形式)で総合的に評価する.

再試験の有無

再試験はおこなわない.

教科書

教科書は使用しない.適宜プリントを配布して授業をすすめる.

参考書

参考書はその都度紹介する.

連絡先

佐久間(088-656-7152, sakuma@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)