2011年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

人間と生命 / 知の探求と現代

Humanity and Life / Exploration of Knowledge

平成19年度以前の授業科目:『人間と生命』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『人間と生命 / 知の探求と現代』

教授・石田 三千雄

2単位

 月(1・2) 全(全)

授業の目的

人類は地球温暖化による危機に直面しながら,それに対する有効な対策をいまだ打ち出せないでいる.今日の地球環境危機は現在までの人類の繁栄の裏返しである.いまや持続可能な社会を形成するために,人間と自然との新しい関係を打ち立てなければならない.この授業は地球環境問題を哲学的に考えるために「人類はどのような立場に立たねばならないか」という根源的な問いに答えるために,過去の哲学者たちの自然に関する思想を幅広く考察する.

授業の概要

現代の環境問題に対処するためには,人間が自然をどのように考えてきたかを思想的に明らかにすることが必要である.そのために,この授業では近代自然科学によって人間が自然支配を企ててきたこと,しかし人間は単に自然支配のみを求めたのではなく,自然の中に人間を位置づけ,自然と調和する思想も育んできたこと,そして今や人間と自然との新たな関係を構築すべきときにきていることを論じる.

キーワード

環境,自然観,環境倫理

受講者へのメッセージ

環境問題を考える基礎的視野を養ってください.質問等は,メールでも受け付けます.

到達目標

1.現代の環境問題の根底にある思想的背景を理解し,広く哲学的・倫理学的に人間と自然との関係を考える力を養う.

授業の計画

1.はじめに―授業全体の説明
2.近代自然科学と人間の自然支配(1)
3.近代自然科学と人間の自然支配(2)
4.近代自然科学とディープ・エコロジー
5.ディープ・エコロジーの問題点
6.アメリカ文学に現れた環境思想の系譜
7.ヘンリー・ソローの自然観
8.カントの自然観と環境問題
9.スピノザの自然観
10.シェリングの自然観
11.ドイツの実践的自然哲学
12.マイヤー・アービッヒの環境倫理
13.ジープの具体倫理学
14.具体倫理学としての自然倫理学
15.終わりに
16.総括授業

成績評価の方法

学期末試験(40%),小レポート(30%),授業への取り組み状況(30%)などにより総合的に評価する(ただし,評価割合の目安は括弧内のパーセントである).

再試験の有無

再試験有り

教科書

山内・手代木・岡本他 『環境倫理の新展開』 ナカニシヤ出版,2007年,1995円

連絡先

石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日14時∼15時

備考

授業計画は一部変更があるかもしれません.