2011年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

自然と技術 / 現代物理学の世界

Science and Technology / Introduction to Modern Physics

平成19年度以前の授業科目:『自然と技術』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『自然と技術 / 現代物理学の世界』

教授・日置 善郎

2単位

 月(3・4) 全(全)

授業のタイプ

講義

授業の目的

現代社会の諸問題に科学的・論理的に対処し,特に物理学の視点からその調和ある発展に寄与できる総合的な力を養成する.

授業の概要

物理学は現代の科学技術を支える大きな柱であり,理系学生の基礎としてだけではなく,大学生の教養として文系の学生にとっても重要と考えられる.本講義では,この物理学の中で巨視的な現象を扱う分野から現代物理学の中核をなす量子論・相対論の基本的な構成までを概観する.そこには通常の常識では全く理解できないような現象も登場するが,それが正に現代の科学技術の基礎となった諸法則に結び付いている.それらをゆっくりと,数式の取り扱いよりも基礎概念の理解を目標に解説することを講義の目的とする.

キーワード

古典物理学,現代物理学,自然法則の適用限界

受講者へのメッセージ

総合科学部の授業「物理科学の基礎」を履修した学生は,履修を控えてください(内容に共通点が多いため).

到達目標

1.自然科学の法則とはどのようなものかを知ること.
2.現代科学と言えども完全とは言いがたく,結果として全ての法則には避けられない適用限界が存在することを理解すること.

授業の計画

1.物理学の目的・現代物理学概観
2.古典物理学の世界(1) 素朴な自然観
3.古典物理学の世界(2) 古典力学の話
4.古典物理学の世界(3) 電磁気学の話
5.古典物理学の世界(4) 熱力学・統計力学の話
6.古典物理学は万能か?(1) 原子の世界と古典物理学
7.古典物理学は万能か?(2) 古典物理学の破錠
8.古典物理学は万能か?(3) 量子力学と現代物理学
9.量子物理学の世界(1) 量子の概念
10.量子物理学の世界(2) ボーアの原子模型
11.量子物理学の世界(3) 粒子の波動性
12.量子物理学の世界(4) 量子力学の完成
13.相対性理論の世界(1) 研究の歴史:光とは何か
14.相対性理論の世界(2) 特殊相対性理論
15.期末試験
16.総括

成績評価の方法

毎回のレポート・小テスト,受講態度,学期末の筆記試験(持ち込み不可)の結果を総合して判定する.詳しくは第1回目の講義において説明する.なお,言うまでもないことだが,講義中の私語·携帯電話の使用などは厳禁する.違反者は,その時点までの成績には一切無関係に,その場で再受講とする.

再試験の有無

有 (但し,不合格者全員が自動的に対象となる訳ではない)

教科書

『物理学(現代物理学の世界)』(自製テキスト:生協書籍部へ)

参考書

アインシュタイン・インフェルト 『物理学はいかに創られたか(上・下)』 岩波新書,内山龍雄 『相対性理論入門』 岩波新書,その他講義中にも説明する.

連絡先

日置(総合科学部3号館 1N04 号室, 088-656-7234, hioki@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火曜日 11:50∼13:00 (質問などは在室中ならいつでも可)