2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
歴史と文化 / History and Culture
現代世界の展開
教授・佐久間 亮 2単位 前期 木(11・12) 工(夜間主)
日々わたしたちが耳にする国際的事件,紛争などについて理解するためには,それらが生じた歴史的背景についての基礎知識が不可欠である.にもかかわらず,高校世界史では,現代史,とりわけ第二次世界大戦後の歴史については充分には教えられず,その知識の欠落は著しい. たとえば,アメリカの対イラク戦争に対して,なぜあれほどまでにアラブの人々が反発しているのか,少なくとも第二次大戦直後にまで遡って中東の歴史を考えなければ,理解不能だろう. この講義では,第二次世界大戦後の世界の歴史を,おもに映像とパワーポイントによる画像を用いながら理解してもらうことを目的とする.この知識のギャップを埋める作業は,「常識」に関するジェネレーション·ギャップを埋めることもねらいとしている.
第二次世界大戦後の歴史を,3つの局面に分割して理解する見方を紹介する.第一の局面は,「冷戦」の時代である.戦後ながく続いたこの枠組みがいかなるものだったかを具体的な事件をとおして理解することがまず第一の課題である.その上で,この枠組みが崩壊して以降の「民族主義」と「神々」の復活という第二の局面に世界が直面してきたこと,そして,「9·11」後,世界がどのような方向に進みつつあるのかについて,歴史家としての展望を示したいと思う.
冷戦,イデオロギー,民族主義,イスラム,歴史観
生活と社会歴史と文化歴史と文化
1.新聞,テレビニュースで語られる世界の出来事を的確に理解できるようになること
2.今を理解する上で歴史的パースペクティブをもつことが不可欠であることを実感すること
1.米ソ冷戦の始まり
2.分割されたドイツの悲劇
3.中国と台湾はなぜ仲が悪い
4.アジアの「熱い戦争」
5.キューバ危機と核開発競争
6.アジアの泥沼(1) -ベトナム-
7.アジアの泥沼(2) -アフガニスタン-
8.ホメイニ革命から湾岸戦争まで
9.ユーゴスラビア紛争(1)-東欧革命の余波-
10.ユーゴスラビア紛争(2)-「民族浄化」-
11.9.11の衝撃
12.パレスチナ紛争とは何か(1)-歴史的起源-
13.パレスチナ紛争とは何か(2)-和解への遠い道のり-
14.アフガニスタンからイラクへ
15.試験
16.全体のまとめ
教科書は使用しない.適宜プリントを配布して授業をすすめる.参考書もその都度紹介する.
受講態度と,学期末テスト(論述形式)で評価する.
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
佐久間(2327, 088-656-7152, sakuma@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 火曜日 12時∼13時 総合科学部1号館3階
日々のニュースに関心をもちつつ受講してほしい.