2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
生活と社会 / Living and Society
人間観と社会のゆくえ
教授・石田 三千雄 2単位 後期 木(3・4) 全(全)
現代は既成の価値観や生き方が揺らいでいる時代だとされる.しかし,人間はゼロから新たな価値観や生き方を作り出せるわけではない.われわれは,この授業で,現代社会に噴出する諸問題を,過去の哲学者たちの思想も再検討しつつ,考察する.現実の具体的問題を哲学的に考察する中で,現代における人間の生き方や世界観を考えることを目的とする.
現代社会および現代人の思考に抜きがたく根ざしている功利主義の思想をまず論じ,同時にその限界も明らかにする.併せて功利主義による「死の選択」がいかなるものとなるかも考察する.次に,生殖に関わる問題を取り上げ,クローン技術にも触れる.さらに環境に関わる問題と,現代社会におけるビジネスや公共性および徳の問題を論じる.最後に,平和の知と新たな倫理的パラダイムの可能性について概説する.
人間観,社会,倫理
自然と技術人間と生命生活と社会
功利主義の思想とその限界を一つの手がかりとして,生命と死,環境,社会などについてみずから哲学的に考える視点を養い,それらに見られる問題点を文章で表現することができる.
1.ガイダンス―授業全体の説明その他
2.功利主義の形成と展開
3.功利主義批判
4.功利主義に基づく「死の選択」擁護論
5.「死の選択」擁護論の批判
6.生殖技術のゆくえ
7.クローン技術のゆくえ
8.持続可能な開発とは
9.自然との共生を考える
10.情報と倫理
11.ビジネスと倫理
12.大衆社会と人間
13.平和の知は可能か
14.倫理的パラダイムの可能性
15.試験
16.総括授業
石崎·石田·山内編 『知の21世紀的課題』 ナカニシヤ出版 2000年 2800円
学期末試験,小テスト及び授業への取り組みにより総合的に評価する.
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 金曜 14∼15時 石田研究室(総合科学部1号館3階)
現代社会を問題意識をもって見る態度を望みます.質問等は,メールでも受け付けます.