2008年度 工学部 化学応用工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 3年(前期)

材料物性

Physical Properties of Materials

准教授・森賀 俊広

2単位

目的

無機材料が示す様々な性質についてその基本を講義し,新素材設計のための基礎を修得させる.

概要

同じ性質を持つ材料でもなぜ優劣が出てくるのか.化合物の構造とその基本的な物性とをどのように結びつけて考えればよいのかを学ぶ.2回ひとまとまりの授業形態をとり,その2回の授業のうち,1回は講義を中心に,もう1回は演習を中心に行い理解を深める.

キーワード

価電子帯,伝導帯,フェルミ準位,キュリー·ワイスの法則,高スピン状態,低スピン状態,量子数

関連科目

量子化学

要件

基礎無機化学,無機化学及び材料科学(夜間主コースの学生は無機化学1及び無機材料科学)を履修していることが望ましい.

注意

特になし

目標

1.半導体·金属などの電気伝導機構の違いについて理解する.
2.誘電性·磁性の発現機構について理解する.

計画

1.電気伝導性の基礎,絶縁体·半導体·金属の区別(text pp.1-5)
2.バンド構造,真性半導体と不純物半導体(text pp.6-9, 12-14)
3.Fermi準位,p/n接合(pp.9-10, 14-15),半導体のバンド構造に関する演習問題
4.固体の格子欠陥,遷移金属酸化物の導電性(pp.15-19)
5.イオン伝導体(pp.19-24),遷移金属酸化物の導電性に関する演習問題
6.遷移金属の電子配置,高スピン状態と低スピン状態(text pp.51-53, 70)
7.反磁性と常磁性,強磁性と反強磁性(text pp.53-56),高スピン状態と低スピン状態に関する演習問題
8.スピネル型フェライトの磁性,ハードフェライトとソフトフェライト(pp.56-61)
9.固体の誘電性,強誘電体(text pp.28-34)
10.強誘電体における自発分極機構(text pp.34-37),それに関する演習問題
11.セラミックスの圧電性・焦電性(pp.41-51)
12.固体の光吸収(text pp.62-69)
13.発光現象(text pp.69-72),固体の光吸収に関する演習問題
14.ルミネッセンス(text pp.78-83)
15.ルミネッセンスに関する演習問題
16.最終試験

評価

基本的には,講義終了後の最終本試験により成績を評価(60%),授業への取り組み状況·演習問題の提出状況を加味する(40%).

JABEE関連

本学科学習・教育目標(A:○),(B:◎)に対応する.

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

荒川ら共著 「無機材料科学」(三共出版)

連絡先

森賀(M603, 088-656-7423, moriga@chem.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前期は月曜日16:30から17:30,後期は木曜日16:30から17:30

備考

1.三角関数,指数·対数の計算できる機能の付いた関数電卓を持参のこと.
2.成績評価に対する講義への取り組み姿勢,演習の回答と内容(以上平常点)と最終試験の割合は4:6とする.