2010年度 徳島大学 共通教育 基礎科目群 — 毎年(後期)

基礎物理学 / 基礎物理学Ⅱ・物理学概論

Basic Physics / General Physics 2

平成19年度以前の授業科目:『基礎物理学』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『基礎物理学 / 基礎物理学Ⅱ・物理学概論』

非常勤講師・松尾 俊寛

1単位

 火(3.4) 医(医1年)

授業の目的

電磁気学は力学と並んで物理学のなかでももっとも基礎的な分野であり,その学習によって,すべての自然科学の基礎となる物理学の考え方を学ぶことができます.また,実際的にも電磁気力は(生命現象をふくむ)私たちの身の回りの現象を支配しており,医学,生命科学の理解には電磁気学の知識や考え方が必要となるでしょう.この講義では電磁気学の理論体系を基本的なところから修得することを目的とします.

授業の概要

電磁気学の基本法則はマクスウェル方程式という簡潔な形にまとめられます.授業では,静電気学からはじめて,電流と磁場,電磁誘導を経てマクスウェル方程式に到達します.また,真空中の電磁波や,導体や誘電体,磁性体などの物質中の電磁場についても解説します.

キーワード

静電場,電流と磁場,マックスウェル方程式,電磁波,物質中の電磁場

受講者へのメッセージ

電磁気では考察の対象が「粒子」から「場」へと移るため,力学のときのような直感が働きにくくなり,理論の記述も数学的になってきます.特にベクトル解析をはじめとする数学的な手法はなかなかに煩雑なものですが,授業ではできるだけ丁寧に解説していく予定です.電磁気学は電気と磁気を統一的にあつかう理論であり,現代素粒子理論を形作る統一理論の最初の例でもあります.電磁気学の学習から現代物理学の基礎の香りも感じてください.

到達目標

1.電磁気学を電気や磁気の場の理論として理解する.
2.電荷,電流が作る場を簡単な場合について求めることができる.
3.電磁場の基本方程式であるマクスウェル方程式を理解する.
4.物質中の電磁場についての知識を得る.

授業の計画

1.電磁気学概論と数学の準備(ベクトル解析,積分公式等)
2.クーロンの法則と電場
3.ガウスの法則
4.静電ポテンシャルと電位
5.静電場のまとめ
6.定常電流 (オームの法則)
7.静磁場 (ヴィオ-サバール,アンペールの法則)
8.時間変動する電磁場 (ファラデーの法則)
9.マクスウェル方程式
10.電磁波
11.導体と静電場
12.誘電体
13.磁性体
14.その他の話題
15.学期末テスト
16.まとめ

成績評価の方法

授業への取り組み姿勢(小テスト含む)(30%),課題(宿題,レポート)(30%),学期末試験(40%)に基づいて総合的に判断する.

再試験の有無

教科書

基礎物理学シリーズ「電磁気学」横山順一著(講談社)

参考書

ファインマン物理学III 「電磁気学」(岩波書店)

連絡先

松尾(連絡先未登録)