2010年度 徳島大学 共通教育 基礎科目群 — 毎年(前期)

基礎物理学 / 基礎物理学Ⅰ・物理学概論

Basic Physics / General Physics 1

平成19年度以前の授業科目:『基礎物理学』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『基礎物理学 / 基礎物理学Ⅰ・物理学概論』

非常勤講師・松尾 俊寛

1単位

 火(3.4) 医(医1年)

授業の目的

物理学は医学,生命科学を含むすべての自然科学の基礎であり,物理学の概念,知識,思考方法は化学,生物学,基礎,臨床医学の諸分野を修得するための基礎になります.力学や熱力学の基礎物理学の学習によって,基本法則をもとにあらゆる現象を理解していくという物理学の基本的考えかたを修得し,問題の数学的記述方法とその処理の仕方を学びます.この講義によって今後の発展的学習の基盤を与え,さらに幅広い教養の核となることを目指します.

授業の概要

力学系の運動の記述の仕方とニュートンの法則を解説し,ポテンシャルの概念や保存則の重要性を説明します.いくつかの具体的で重要な問題に対して実際に運動方程式をたて,それを直接または保存則を用いて解いていきます.剛体の運動方程式を記述するための概念を導入し,いくつかの例題について解説します.また,熱力学の基礎を簡単に扱います.

キーワード

ニュートン力学,運動方程式,保存則,剛体の運動,熱力学

受講者へのメッセージ

数学的手法は必要に応じて解説しますが,最初は敷居が高いかもしれません.自然の言葉は数学で書かれているのでこれは仕方がない事ですが(現象を定量的に説明する科学的な方法において数学は必要不可欠),数学の難しさに惑わされる事なく,物理的な考え方を習得するようにつとめてください.授業では可能な限り丁寧に解説します.また,この講義で学ぶ物理的概念や数学的手法は後期の基礎物理学においても重要になります.

到達目標

1.微分方程式として運動方程式を記述し,その物理的意味を理解する.
2.いくつかの代表的な問題について運動方程式を数学的に扱うことができる.
3.保存則を理解し,運動方程式の解法に使える.
4.剛体の性質を運動方程式から理解する.
5.熱力学の基礎を理解する.

授業の計画

1.力学概論と数学の準備 (微積分,ベクトル)
2.運動の記述 (位置,速度,加速度)
3.ニュートンの法則と運動方程式
4.エネルギー,運動量,角運動量
5.保存法則
6.運動方程式を解く (種々の問題)
7.中心力の場における運動 (ケプラー問題)
8.粒子の衝突
9.前半のまとめ
10.微小振動 (調和振動,連成振動)
11.質点系の運動
12.剛体の運動
13.熱力学における操作(等温,断熱操作)
14.熱,エネルギー,エントロピー
15.学期末テスト
16.まとめ

成績評価の方法

授業への取り組み姿勢(小テスト含む)(30%),課題(宿題,レポート)(30%),学期末試験(40%),に基づいて総合的に判断する.

再試験の有無

教科書

基礎物理学シリーズ「力学」副島雄児,杉山忠男著(講談社)

参考書

ファインマン物理学I「力学」(岩波書店)

連絡先

松尾(連絡先未登録)