2011年度 工学部 電気電子工学科 昼間コース — [選択] 3年(前期)

マイクロ波工学

Microwave Engineering

教授・高田 篤

2単位

目的

近年,電気信号処理速度の高速化に伴い,電子回路において高周波•マイクロ波回路を用いる領域が著しく増大している.光ファイバ通信や無線通信などの通信システムにおいてもマイクロ波の利用が必須となっている.この講義により,マイクロ波~光波の伝搬,伝送線路,アンテナ等の基本部品の基本原理を理解する.

概要

まず,マイクロ波回路は分布定数回路としての取扱いが必要である.その基礎を復習し,伝送路の整合方法を講述する.次にマイクロ波伝送に用いられる伝送路とその電磁波伝送特性,回路素子について述べる.更に,アンテナからの電磁波の放射,電磁波伝搬について講述する.また,演習・レポートで理解を深める.数回の授業では授業中に小テストを行う.

キーワード

分布定数回路,電磁波

関連科目

高周波計測

要件

電磁気学3を履修しておくことが望ましい.

注意

「電気磁気学1,2,3」,「電気回路1,2」で学ぶ内容が基礎となるので,これらを十分理解しておくことが望ましい.

目標

1.分布定数回路の基本的性質を理解すること.(授業計画番号1∼2)
2.伝送線路のインピーダンスを理解し,基本的な計算ができること.(授業計画番号3∼12)
3.ダイポールアンテナ等の原理を理解し,基本的な計算ができること.(授業計画番号13∼14)

計画

1.交流信号の複素表現と分布定数回路の基礎(教科書1.1-1.2節)
2.反射と定在波(教科書1.3節)
3.入力インピーダンス(教科書1.4節)
4.4分の1波長線路(教科書1.5節)
5.平面波とその他の電磁波(教科書2.1-2.3節)
6.同軸線路・マイクロストリップ線路(教科書2.4節)
7.導波管伝送路(教科書2.5節)
8.表面波伝送路(教科書2.6節)
9.散乱行列表現(教科書3.1節)
10.回路整合・共振回路(教科書3.2節)
11.マイクロ波・ミリ波材料の特性(教科書4.1節)
12.可逆回路と非可逆回路(教科書4.2節)
13.電気ダイポールからの放射と開口面からの放射(プリント)
14.アンテナの基本特性とマイクロ波伝送(プリント)
15.定期試験
16.試験の返却と解説等まとめ

評価

数回の授業では授業中に小テストを行う.定期試験と小テストの成績,演習・レポートの提出状況を総合して評価する.試験(小テストと定期試験)80%点,演習・レポートは20%で評価する.合計60%以上を合格とする.

JABEE関連

(D)専門基礎30%,(E)[主目標]専門分野(電気電子システム)70%

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

内藤著「マイクロ波·ミリ波工学」コロナ社

プリント

連絡先

高田(E棟C3,656-7465, takada@ee.tokushima-u.ac.jp)
オフィスアワー: (火)13:30-14:30,(木)16:30-17:30)

備考

授業を受ける際には,2時間の授業時間毎に2時間の予習と2時間の復習をしたうえで授業を受けることが,授業の理解と単位取得のために必要である.