生理学C・D 講義
Physiology
形態
講義
授業目的
人体の各臓器・組織の働きについて理解する.また,神経系,および内分泌系による各臓器・組織の調節機構について学習・理解する.生体の情報受容機構と中枢における入出力の制御機構について理解する.
授業概要
消化吸収(肝臓,膵臓を含め),血液,循環,呼吸,排泄,唾液と唾液腺,味覚,顎反射,発声等の機序について学ぶ.骨格筋の制御機構,感覚器による情報受容とその中枢機構について学ぶ.
授業テーマ
内蔵の各器官の働き,および骨格筋の制御,中枢機構,感覚の受容とその中枢機構
キーワード
内分泌系,運動神経系,感覚神経系,循環器系,消化器系,呼吸器系,泌尿器系,口腔生理学
先行科目
授業方法
板書,および資料提示装置を利用しながら講義を行う.必要に応じて補助教材を配付する.1-15,および16-30の各講義はそれぞれ月曜日,および木曜日に並進して行う.
授業場所
第3講義室
注意事項
受講者は【授業計画】や【到達目標】を参考に,教科書・配布資料等により授業内容を事前に予習しておくこと.また,毎回授講後に復習し,授業内容およびその関連項目等を復習用ノートにまとめること.試験は学生便覧の歯学部規則を満たしている者に対して行う.
到達目標(<>はコアカリ対応)
1. | 消化管(食道,胃,小腸,大腸)の基本構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(6)消化器系-①> |
2. | 肝臓の構造と機能,および胆汁の分泌経路を説明できる. | <D-2-3)-(6)消化器系-②> |
3. | 膵臓の外分泌腺と内分泌腺の特徴を説明できる. | <D-2-3)-(6)消化器系-③> |
4. | 赤血球,白血球,および血小板の形成過程と機能を説明できる. | <D-2-3)-(11)血液・造血器・リンパ網内系-③> |
5. | 止血と血液凝固の機序を説明できる(線溶系を含む). | <D-2-3)-(11)血液・造血器・リンパ網内系-④> |
6. | 心臓の構造と機能を説明できる(心臓の刺激(興奮)伝導系,心筋の特徴,標準的心電図波形,および心音を含む). | <D-2-3)-(3)循環器系-①> |
7. | 肺循環と体循環の2系統を説明できる. | <D-2-3)-(3)循環器系-②> |
8. | 動脈,毛細血管,および静脈の構造と血管系の役割を説明できる. | <D-2-3)-(3)循環器系-③> |
9. | 血液循環と血管運動の調節機構を説明できる. | <D-2-3)-(3)循環器系-④> |
10. | 血液脳関門を説明できる. | <D-2-3)-(5)神経系-⑤> |
11. | 気道系(鼻腔,副鼻腔,気管,気管支)の構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(7)呼吸器系-①> |
12. | 肺臓の構造と機能を説明できる(内呼吸,外呼吸,および呼吸運動の機序とその調節系を含む). | <D-2-3)-(7)呼吸器系-②> |
13. | 腎臓と尿路(尿管,膀胱,尿道)の構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(9)泌尿器系-①> |
14. | 体液の量と組成,および浸透圧の調節機構を説明できる(酸-塩基平衡を含む). | <D-2-3)-(9)泌尿器系-②> |
15. | 水代謝と主な電解質の出納を説明できる. | <D-2-3)-(9)泌尿器系-③> |
16. | 唾液腺の構造と機能を説明できる(分泌調節を含む). | <F-2-2)-⑤> |
17. | 唾液の性状と役割を説明できる(構成成分とその機能を含む). | <F-2-2)-④> |
18. | 味覚の受容と伝達,中枢における神経機構を説明できる. | <D-2-3)-(4)感覚器系-④> |
19. | 脳と脊髄の基本的構造と機能を説明できる(主要な自律機能(呼吸,循環,体温)の調節中枢の働きを含む). | <D-2-3)-(5)神経系-④> |
20. | 反射,半自動運動,随意運動の発現と調節の機序を説明できる. | <D-2-3)-(5)神経系-⑥> |
21. | 皮膚感覚器の構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(4)感覚器系-①> |
22. | 深部感覚の受容器の構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(4)感覚器系-②> |
23. | 嗅覚器・味覚器の構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(4)感覚器系-④> |
24. | 視覚器,聴覚・平衡感覚器の構造と機能を説明できる. | <D-2-3)-(4)感覚器系-③> |
25. | 下顎反射の機序を説明できる. | <F-2-1)-⑦> |
26. | 咀嚼の意義と制御機構を説明できる. | <F-2-2)-⑥> |
27. | 嚥下の機序を説明できる. | <F-2-1)-⑧> |
28. | 構音器官としての口腔の形態と機能を説明できる. | <F-2-2)-⑦> |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 消化管の機能 | 消化管運動の神経支配 | 内在・外来神経による消化管運動の調節および反射 | 赤松 | 1-3 |
2. | 〃 | 消化酵素の分泌・消化・吸収 | 消化酵素の分泌と消化・吸収 | 〃 | 〃 |
3. | 〃 | 消化管ホルモン | 消化管ホルモンによる消化器系の調節 | 〃 | 〃 |
4. | 血液と循環 | 血液 | 血液,赤血球,止血と凝固系,血液型 | 〃 | 4, 5 |
5. | 〃 | 心臓 | 心臓,刺激伝導系,心電図 | 〃 | 6 |
6. | 〃 | 循環とその調節 | 血管系,毛細循環,リンパ, | 〃 | 7-9 |
7. | 〃 | 特殊部位の循環 | 脳の循環,環状循環,胎盤の血行 | 〃 | 7-10 |
8. | 口腔生理学(1) | 唾液と唾液腺 | 唾液,唾液腺の構造と唾液分泌<br>唾液分泌の神経機構 | 〃 | 16, 17 |
9. | 〃 | 味覚 | 味覚の受容と伝達,中枢における神経機構 | 〃 | 18, 23 |
10. | 呼吸 | 肺の機能 | 呼吸器の構造・換気 | 長谷川 | 11, 12 |
11. | 〃 | ガスの運搬 | 酸素・二酸化炭素の運搬,ボーア効果,ホールデン効果 | 〃 | 〃 |
12. | 〃 | 呼吸の調節 | 呼吸と中枢における反射,呼吸リズムの神経機序 | 〃 | 12, 19 |
13. | 排泄 | 腎臓の構造と機能 | 腎臓の構造と尿の生成,排尿 | 〃 | 13-15 |
14. | 〃 | 腎機能の調節 | 尿細管における再吸収・分泌とホルモンによる調節 | 〃 | 〃 |
15. | 〃 | 体液調節 | 体液量・組成・浸透圧の調節,酸塩基平衡 | 〃 | 〃 |
16. | 運動系 | 脊髄 | 脊髄の構造,運動神経,筋紡錘とゴルジ器官,脊髄反射 | 細井 | 19, 20 |
17. | 〃 | 脳幹 | 脳幹の神経結合,伸張反射の調節,脳幹の姿勢反射 | 〃 | 〃 |
18. | 〃 | 小脳 | 小脳の解剖学的機能的区分と神経回路網,小脳による運動調節機構 | 〃 | 〃 |
19. | 〃 | 大脳基底核,大脳皮質 | 大脳基底核の構成・機能および病態生理学,運動性皮質,運動性皮質への出入力路,運動性皮質の電気生理学 | 〃 | 〃 |
20. | 感覚総論 | 感覚 | 感覚と受容器の種類,刺激の受容,感覚の強度と局在 | 〃 | 21, 22 |
21. | 体性感覚 | 体性感覚とその受容器,感覚の伝導路 | 体性感覚の種類および受容器の種類と分布,感覚の伝導路 | 〃 | 〃 |
22. | 〃 | 大脳皮質の体性感覚野,痛覚 | 感覚野の構成と役割,痛みの受容,内蔵痛覚と関連通,頭痛と歯痛 | 〃 | 〃 |
23. | 嗅覚 | 嗅覚 | 嗅覚の受容と中枢機構 | 〃 | 23 |
24. | 聴覚・前庭感覚 | 聴覚 | 内耳の構造と聴覚の中枢機構 | 〃 | 24 |
25. | 〃 | 前庭感覚 | 前庭器官の構造と機能 | 〃 | 〃 |
26. | 視覚 | 眼球の光学系と網膜での光受容 | 眼球の構造と網膜での光受容 | 〃 | 〃 |
27. | 〃 | 視覚の中枢機序 | 視覚の中枢経路,視覚野 | 〃 | 〃 |
28. | 口腔生理学(2) | 顎運動と下顎の反射,咀嚼筋 | 顎位と下顎の反射,咀嚼筋の名称と働き | 〃 | 25, 26 |
29. | 〃 | 嚥下と嘔吐 | 嚥下反射機構,嘔吐反射機構 | 〃 | 27 |
30. | 〃 | 発声 | 発声筋,フォルマント | 〃 | 28 |
成績評価の方法
評価は筆記試験により行う.試験は3年次前期の試験期間中に実施する.100点満点で60点以上のものを合格とする.
再試験
一度のみ行う.ただし,本試験の点数が著しく低い場合は再試験を行わないこともある.
教科書,プリント,参考書
教科書:生理学テキスト,第6版,文光堂,2010
参考書:人体の正常構造と機能 [全10巻縮刷版],日本医事新報社,2008
参考書:基礎歯科生理学,第5版,医歯薬出版,2008
参考書:ギャノング生理学,原書22版,丸善,2006
参考書:オックスフォード生理学,第2版,丸善,2005
参考書:新生理学,第4版,文光堂,2003
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: (木 16:40-17:40/6F 口腔分子生理学・教授室)
- オフィスアワー: (金17:00-18:00/6F 口腔分子生理学・第2研究室)
- オフィスアワー: (水16:40-17:40/6F 口腔分子生理学・第2研究室)