2008年度 総合科学部 学部課程 — 1年

現代GP体験ゼミ

Field studies as the GP programme

教授・大橋 眞, 准教授・山城 考, 准教授・佐藤 征弥, 准教授・中鉢 龍一郎, 准教授・佐藤 高則

1単位

目的

吉野川第十堰を取り巻く自然と人間の共生関係を見ることにより,現代文明に忘れられてきた視点を問いかける.この日本随一の規模を誇る石積み式堰堤は,徳島の文化遺産であり,これからの社会における人間の自然に対する関わり方を静かに語りかけている.第十堰は建設されてから約250年間,旧吉野川下流域の潅漑と上流域への塩害の防止に役立ってきた. この授業では,吉野川流域における多様な生物,天然記念物巨樹,藍作文化,第十堰改築問題を体験的に取り上げながら,科学の役割を考える.

概要

環境科学における自然と人間の共生の意味を,第十堰,天然記念物の巨樹,藍作から生まれてきた文化など吉野川流域の姿を見る体験ゼミを通して考える.また,第十堰の可動堰への改築問題の持つ意味を実習体験を通して学び,その問題点について議論する.また,藍染めなどの天然染料を用いた染色を行い,藍染めの原理や徳島における藍染め文化の意味を考える.吉野川流域の植生調査や水生昆虫調査,食文化体験などにより,吉野川流域の自然環境と文化について考察する.

キーワード

体験ゼミ,吉野川,環境,文化,藍染め

目標

1.自然との共生という立場から,環境問題に対しての総括的な理解力を持つ.また,地域の伝統文化に対する理解を深める.計算機によるシミュレーションの原理と問題点を理解する.

計画

1.ガイダンス
2.吉野川第十堰について(講義,演習)
3.吉野川源流域の植生調査(体験ゼミ)
4.天然記念物「巨樹」の調査と歴史的考察(体験ゼミ)
5.吉野川第十堰における水生昆虫生態調査(体験ゼミ)
6.吉野川と食文化(実習)
7.藍染め実習(実習)
8.まとめ(実習)

評価

授業態度(60%)とミニレポート(40%)で評価する

再評価

なし

参考資料

冊子体を配布予定

連絡先

大橋(656-7261, ohashi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月曜日16時ー18時(大橋)